高校演劇-演劇についての説明や楽しみ方について|観客を笑わせ泣かせる大衆演劇が大好きな私

高校演劇

私は中学と高校の6年間、演劇部に入っていた。特に高校の3年間ではかけがえのない経験ができた。ところで演劇部というとどのようなイメージを持たれているだろうか。暗い性格の持ち主の集まりだったり、おもしろくないのに目立ちたがりの集まりだったり、自意識過剰軍団だと思われていることだろうと思う。実際私もそのような目で見られてきた。それでも演劇部に在籍し続けたのはかけがえのない仲間がいたから、自分たちの目指すものが明確に見えていたからだろうと思う。私たちが高校に入学する直前、演劇部では私たちの一つ上の先輩は1人になった。他に数人いた部員はそろって退部届を提出した。それは悪意以外の何物でもなかった。3年生が3人、2年生が1人だけという演劇部に私は入部した。裏方に回るスタッフをどんなに削っても4人では芝居は成立しない、そんな絶望的な状況でも、先輩たちは全国大会に行くと口にした。それはただの希望だったかもしれない。私たちもその言葉に続いた。

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顧問の先生だけが苦笑をしていた。演劇のコンクールは少し他の部活と違っていて、9月に地区予選が始まり、クリスマスくらいに全国大会出場校が出揃う。そして、実際全国大会が行われるのは翌年の8月。つまり、3年生は戦力外として考えていかなければならない。ところが私たちはそうはいかなかった。3年生を除けば、使えるのは1人とあとは戦力にもならないような新入部員だけだった。ぎりぎりで、3年生3人と1年生2人を含めた6人を役者にし芝居を打った。そのうちの1人は私だった。私たちの作品は地区大会、県大会、ブロック大会を抜けて、全国に行けることになった。奇跡のようだった。名前を読み上げられた瞬間は全員の悲鳴にも似た歓声がホールに響き渡った。しかし喜んだのはつかの間、来年の8月には主戦力の3年生が確実にいない。新入部員だって入ってくるかわからない。

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もし入ってきたとしてもすぐに舞台に上がれる実力とは限らない。実力があっても芝居が仕上がるかわからない。そんなとめどない不安の中でも私たちは懸命に走り続けた。学校には部活をしに行っているようなものだった。全てがぎりぎりで、どうにか全国大会までこぎつけた。私たち全てにとって初めての経験だった。他の高校の芝居も見たが、私たちの芝居が一番おもしろいと感じた。そして発表されたのが、最優秀賞。その後は興奮しすぎてどこをどう宿泊場所まで帰ったのか覚えていない。みんな泣いていた。その印象が強烈すぎて、私は他の高校生活をほとんど覚えていない。その次の年も走り続けて、2年連続で同じ賞をもらうことができた。強く願えば叶うと信じられた時だった。

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